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2013.05.11 Saturday 02:49

ラファエロ展 プレミアム鑑賞ナイト

日本でラファエッロの名を冠した展覧会にお目にかかれるなんて、一生に一度のことかもしれません。悔いが残らないように観てきました。
raffaello2.jpg
右を向いても左も向いてもラファエッロが目に入るなんて冗談みたいな空間でした。
え、こんなに日本に持ってきちゃっていいの?だってパラティーナ美術館へ行ったら「大公の聖母」がないとかありえないでしょう?
この時期にイタリアを訪ねた世界中の美術ファンには申し訳ないけれど、ありがとうイタリア!ありがとう西洋美術館!

「自画像」と「大公の聖母」は別格として、他に印象に残ったのは「リンゴを持つ青年」。微妙に笑っているような、見れば見るほど味のある表情が気になって何度も見返してしまいました。洋服の衿のふわっふわ感も楽しかった。何でリンゴ持ってるんですかね?知恵の実だから?おやつ?
Young Man Apple
ルーブルからやってきた「聖ゲオルギウスと竜」は額縁が素敵。建物のファサードを思わせるような額縁で、絵の雰囲気に良く合っていました。
Lvr-george
「大公と聖母」はX線検査でもともと背景が描かれていたことが分かったとか。闇の中に浮かび上がる聖母子も素敵ですが、確かに背景があった方がラファエッロらしいなあと思いました。背景ありも観てみたかったです。
Raphael - Madonna dell Granduca

ラファエッロは、模倣の天才と言われます。
こうして初期から晩年の作品まで、いろいろな画家の手法を取り入れながら作風を変えていく様子を見ると、まさしくと思います。
現代日本の感覚からするとあまり良い気持ちがしませんし、会期中にあった講演会でもそこに引っかかりを感じてらっしゃる方はいらっしゃいました。
でも、いくら作風が変わっても、何か一貫した”ラファエッロらしさ”みたいなものは感じるんですよね。上手く言葉にはできませんが。
レオナルドにはただただ圧倒されるし、ミケランジェロは強烈に心に響くけれど、それでもラファエッロの絵の方が私は好きなのです。
それでいいんじゃないかなあと、あらためて思いました。

短時間とはいえ、周りを気にせず絵と一対一で向き合えたのはとても幸せでした。
図工の教科書で「アテナイの学堂」に一目惚れした小学生の時から、ずっと画集で観てきた絵ばかりなので、なんというか、やっと会えたなあという感じです。

願わくば、またいつか、どこかで。
右往左往
author : 遠野 | comments (0) | -

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