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2007.04.15 Sunday 18:18

セルナンバー8/石原理


セルナンバー8

セルナンバー8

リブレ出版

私の好きな石原漫画のキャラクター達はいつも”家族”を探している。
きちんと愛された記憶のない彼らはとても不安定で、必死で帰属できる場所を探しながら、つねに闇の淵を覗き込んでいる。
人のダークサイドだけを見て人間なんてそんなものだと諦めるのがクールなのかもしれないけれど、クールじゃなくてもいいから陽の光をもとめて足掻いてる人が好きだ。「セルナンバー8」のナギもそんな人。
15才にして懲役15年、クールでタフでロータウン中に恐れられるナギ。ナギと一緒に監獄を脱走したコージは、やがて彼の心にちゃんと悲しみや傷があるのに気付きます。もちろんそれはコージの持つ優しさがあったればこそなんだけれど、同時に効いてくるのが神経錠というアイテムです。

ナギとコージの手首を繋いでいる「神経錠」。
他作品でもそうだけど、石原理はこういうSF的なギミックを使うのがやたら上手い。
繋がれてるせいで行動が制限される上、何故か二人に付けられた特別製の神経錠は、互いの感覚や感情まで通じてしまうのです。

「お前とつながってるとこが痛くてたまんねえ…」

なんて切なくてなんてエロい台詞だろう。
10数年前同人版を初めて読んだ時には悶絶しましたよ。
その想いとはよそに、二人は人工知能「最」を生み出すプロジェクトの実験材料にされ、追い立てられていきます。
こういうサイバーパンクものになると、展開が早くて時々説明不足になったりするんだけど、分からないところは無視していいから(コラ)そのスピード感を味わってほしい。
大丈夫、(多分)必ず何度でも読みたくなるから。

なんだかBLの感想じゃないみたいになってしまったけど、まあ石原漫画だから仕方ないよね。

同時発売の「犬の王」は「カリスマ」の続編。
アーチャーっていつからお笑い担当になったんだっけ?あれ?元からだっけ?
マッパで籐椅子にふんぞり返ってるんですケド…。

何はともあれ本格的に復筆されたようで嬉しいです。
いやもう、本当に嬉しい。
そして願わくば、再びナギとコージに会えますよう。
漫画
author : 遠野 | comments (0) | trackbacks (0)