★香港映画ではなくても関連があれば掲載しています。
★一応ジャンル表記してありますが、あまりこだわらずに観ていただければ。

(c)1999 WIN'S ENTERTAINMENT
暗戦 デッドエンド(暗戦/'99/香港)

ジャンル:サスペンス
監督:杜[王其]峯(ジョニー・トゥ)
主演:劉徳華(アンディ・ラウ)、劉青雲(ラウ・チンワン)

末期ガンで余命数週間を宣告された男(劉徳華)は、元特殊部隊で交渉人のホー刑事(劉青雲)を相手にゲームを仕掛ける。男の完全犯罪は成立するのか、その真意とは、そしてホー刑事を選んだ訳は…?

劉徳華はこの映画で香港電影金像奨の主演男優賞を獲得していますが、相手の劉青雲も忘れてはいけません。仕事人間で腕は立つけれど、今の部署ではどこかカラ回り気味のホー刑事。こういう微妙な役をやらせると本当に上手い。
劇中では直接ホー刑事の心中が語られることはないけれど、劉徳華扮する犯人の生き様は、ホー刑事(と私達)に生きるということの意味を問いかけ続けるのです。



(c)2002 MEDIA ASIA FILMS(BVI) LTD.
インファナル・アフェア(無間道/'02/香港)

ジャンル:サスペンス
監督:劉偉強(アンドリュー・ラウ)、麥兆輝(アラン・マック)
主演:劉徳華(アンディ・ラウ)、梁朝偉(トニー・レオン)

マフィアのスパイとして警察官になったラウ(劉徳華)と、潜入捜査官としてマフィアに潜り込んだヤン(梁朝偉)。孤独と葛藤と己の矜持。そして『無間道』とは何か。

映画評を読むと、ラウの目線で観ている人と、ヤンの目線で観ている人に分かれるみたい。私はヤンでした。
でもラウの心情もよく分かる。間違いとわかっていても、そっちの道を選んでしまうことなんて人生には何度もある(あった)のだから。
…ああ、私もヤンのようになりたい。
二人の過去やその後が気になった方は、「無間道」II&IIIもどうぞ。(IIIは2005年GW公開。最初から三部作で構想されていただけあって、そこらのパート2ものとは違います。)またシリーズ全編を通して役者の芝居が素晴らしい。あれだけ主演級の登場人物が多くなると共倒れになりそうなのに、一人一人をちゃんと描けているのもすごい。



(c)GOLDEN HARVEST ENTERTAINMENT CO,LTD.
裏街の聖者(流氓醫生/'95/香港)

ジャンル:ドラマ
監督:李志毅(リー・チーガイ)
主演:梁朝偉(トニー・レオン)

日本のマンガ「Dr.クマひげ」が原作。腕利きの外科医ながら、出世街道を捨てて下町で医者を続けるマック(梁朝偉)と、下町に生きる人々の人情劇。

梁朝偉はこういうちょっとくたびれたような役をやるとはまるなあ。飄々と生きてるマック先生も、時にはナーバスになったりもして、それがまたいい感じなのですよ。
マックの近所に住む娼婦に一途な想いを寄せる警官を演じるのは、警官といえばこの人、の劉青雲(ラウ・チンワン)。いつもの切れ者な感じとはちょっと違うテイストで面白いです。



(c)BRILLIANT IDEA GROUP LIMITED
オーバーサマー 爆裂刑事(爆裂刑警/'99/香港)

ジャンル:ドラマ
監督:葉偉信(ウィルソン・イップ)
主演:呉鎮宇(ン・ジャンユー)、古天楽(ルイス・クー)

凶悪犯を追う二人の刑事。一人は家族を知らず、一人は半人前。そんな二人が出会ったのは、家族になるはずだった男に捨てられた女と、家はあるのに帰れない女子高生と、そして家族のいない家。
あの夏の数日間に、彼らは望んだものを手に入れたのかもしれない…。

マイク(呉鎮宇)がばあさんにミカンの皮を剥いてあげるシーンがすごく好きだなあ。
これで何で金像奨獲れないんだろうと思い、その年の映画を調べてみると、「暗戦」「鎗火」「流星」「星願」…もうタイミングが悪かったとしか言いようがありません。



(c)EUROPA CORP. 2001
キス・オブ・ザ・ドラゴン('01/アメリカ=フランス)

ジャンル:アクション
監督:クリス・ナオン
主演:李連杰(ジェット・リー)、ブリジット・フォンダ

麻薬の密売ルートを探るため単身パリへやって来たリュウ(李連杰)は、麻薬組織の罠にはまり、組織とパリ警察から追われることになる。

ハリウッド進出後の李連杰主演作品としては、今のところ一番好きな作品。アップが多いアクションシーンには少々不満はあるものの、李連杰のきびきびとした所作は相変わらず観ていて気持がいい。寡黙で腕が立って、でも色事はちょっと苦手という役柄もピッタリ。
娼婦役のブリジット・フォンダはヒールを履いてるんだけど、二人が喧嘩するとき李連杰が彼女の顔を見 上 げ て 怒ってるのが何とも可愛らしい。こういうヒーローとヒロインもたまにはいいよね。



君さえいれば 金枝玉葉(金枝玉葉/'94/香港)

ジャンル:恋愛ドラマ
監督:陳可辛(ピーター・チャン)
主演:袁詠儀(アニタ・ユン)、張國榮(レスリー・チャン)

歌手のローズが大好きなウィン(袁詠儀)は、彼女に近づかんと、男装してローズの恋人兼プロデューサーのサム(張國榮)のオーディションにもぐり込む。男としてサムの元からデビューすることになったウィンだが、サムやローズと暮らすうちにだんだんと三人の関係に変化が…。珠玉のラブコメディ。

ウィンを応援する男友達がいるんですが、これを演じる陳小春(チャン・シウチョン)がすごくいい味を出してます。まさに縁の下の力持ち。そして仲のいい二人にあらぬ誤解をして、あさっての方向に苦悩し続けるサムが面白すぎです。
こうして好きな映画を並べてみると、人生において本当に大切なものは何かというのをテーマにしたものが多いような気がしますが、これもまたその一つ。



(c)GOLDEN HARVEST ENTERTAINMENT CO,LTD.
ゴッド・ギャンブラー(賭神/'89/香港)

ジャンル:ドラマ
監督:王晶(バリー・ウォン)
主演:周潤發(チョウ・ユンファ)、劉徳華(アンディ・ラウ)

チンピラのトウ(劉徳華)が拾った記憶喪失の男(周潤發)。”チョコレート”と名づけた男の幼稚な言動にいらだつトウだったが、やがて”チョコレート”は意外な才能を発揮し始める。

王晶作品だというのでお笑いバカ映画(ほめてます)かと思ったら意外にホロリとさせられてびっくり。やれば出来るじゃん王晶先生!(す、すみません。)
クールな男前から幼稚園児まで、周潤發を堪能出来る一本。全ての「賭神」シリーズの原点です。



(c)MILKYWAY IMAGE(HK) LTD.
ザ・ミッション 非情の掟(鎗火/'99/香港)

ジャンル:ノワール
監督:杜[王其]峯(ジョニー・トゥ)
主演:黄秋生(アンソニー・ウォン)、呉鎮宇(ン・ジャンユー)、張耀揚(ロイ・チョン)、林雪(ラム・シュー)、呂頌賢(ジャッキー・ロイ)

何者かに命を狙われたマフィアのボス・ブンは、5人の用心棒を招集する。事件は意外な結末を見せるが、次に彼らに与えられたのは、さらに非情なミッションだった。

極限まで削り込まれたセリフ、無駄のない銃撃シーン、ひたすらクールに仕事をこなす5人が、時折垣間見せる人間っぽさが堪りません。とにかく格好いい。”太っちょ”と呼ばれる林雪までもが格好いい。(そういえば私は、この映画を観て張耀揚が男前なことに気付きました。それまで悪役しか見たことがなくて、それがまたはらわたが煮えくり返るくらい憎たらしい役ばっかりだったので、顔の造作まで気が回ってなかったみたいです…。)
シナリオ、音楽、演出、演技…すべてに痺れる81分です。



(c)2003 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
ターンレフト ターンライト(向左走・向右走/'03/香港=シンガポール)

ジャンル:恋愛ドラマ
監督:杜[王其]峯(ジョニー・トゥ)
主演:金城武、梁詠[王其](ジジ・リョン)

原作は幾米の「君のいる場所」。同じアパートの違う棟に住むジョンとイブ。一人は右に、もう一人は左に曲がる癖があり、すぐ近くにいるのに何度も何度もすれ違いを繰り返す。
”このままずっと、ひとりかもしれない”…。

まるで絵本がそのまま映像になったような映画でした。色使いや構図が絵本そっくりだったり、主役の二人の整った顔立ちも御伽噺のような雰囲気を醸し出しています。なのに嘘臭くなりすぎないところが流石は杜[王其]峯。
二人のアパートの前にあるニューススタンドの屋台が邪魔で邪魔で(これがあるせいでお互い気付かなかったりするんだもの!)、いつかぶっ飛ばしてやると思いながら観ていたら、ラストで本当に倒れてた。うわあ、スッキリ!



ダブルタップ(鎗王/'00/香港)

ジャンル:サスペンス
監督:羅志良(ロー・チーリョン)
主演:張國榮(レスリー・チャン)、方中信(アレックス・フォン)

射撃大会で拳銃を持って暴れた男が射殺された。犯人を射殺したのは、大会に参加していた射撃の名手リック。彼は人を殺したことに喜びを感じている自分に気づき、戦慄を覚える。一方、刑事のミウは、その場に居合わせながらとっさに犯人を撃てなかったことに苦悩する。

人を殺す快感と、そんな自分への嫌悪に板ばさみになって壊れていく主人公の様子がひどく生々しくて怖いです。晩年のレスリーは、こういう挑戦的な役柄が多いように感じる。
最終的に主人公の暴走を止めるのが、冒頭で犯人を撃てなかった刑事なんですが、刑事のその後を描いたのが爾冬陞(イー・ トンシン)監督(本作では製作とストーリーを担当)の「旺角黒夜」なんだそうです。(といっても話が続いてる訳ではないので、別々に観ても問題はナシ。邦題は「ワンナイト・イン・モンコック」)



(c)STAR TV FILMED ENTERTAINMENT LIMITED.
誰かがあなたを愛してる(秋天的童話/'87/香港)

ジャンル:恋愛ドラマ
監督:張婉[女亭](メイベル・チャン)
主演:周潤發(チョウ・ユンファ)、鍾楚紅(チェリー・チェン)

親戚のサンパンを頼って香港からニューヨークへやってきたジェニーは、再会した恋人がすでに心変わりしていたことを知る。不器用ながらもジェニーを励まそうとするサンパン。最初は反目していた二人だったが、そんなサンパンの様子にジェニーは次第に惹かれていく。

何より印象的なのは、サンパンが思わずといった感じで走り出すシーン。無頼者を気どっていた彼が、誰かを愛するということを見出した時の戸惑いと解放感がひしひしと伝わってきます。ああ、あれは走るよ。走るしかないよ。
監督の友人の話がベースになっているそうですが、ラストだけは変えてあるとのこと。そのラストがまた美しいのです。



(c)1993 FILM UNLIMITED
つきせぬ想い(新不了情/'93/香港)

ジャンル:ドラマ
監督:爾冬陞(イー・トンシン)
主演:劉青雲(ラウ・チンワン)、袁詠儀(アニタ・ユン)

世間に迎合することを拒む作曲家のキット(劉青雲)は、人気歌手の恋人とも別れて下町に移り住む。そこで出会ったのは広東オペラ一座の娘ミン(袁詠儀)。難病を乗り越えてなお前向きに生きようとする彼女の姿に、キットは次第に心を開いてゆく。

シンプルでありがちなストーリーだけど、最後まで見入ってしまうのは登場人物の魅力ゆえ。生きるのが不器用なせいで堅物に見えてしまうキットと、天真爛漫な表情の中に芯の強さが見えるミンを、主演の二人が好演しています。「ポツンとしてないで」というミンの台詞に号泣。



(c)2002 Mei Ah Film Production Co.,LTD.
PTU('03/香港)

ジャンル:サスペンス
監督:杜[王其]峯(ジョニー・トゥ)
主演:任達華(サイモン・ヤム)、林雪(ラム・シュ)

舞台は香港・尖沙咀。銃を失くした警官の小さな嘘が、疑惑と混乱を呼んで組織犯罪課、PTU、CIDを巻き込んだ追跡劇に発展する。タイムリミットは午前4時。

映画評を読んでもトレーラーを観てもどういう映画なのかさっぱり分からず、冒頭から数分経ってもどんな話になるのか一向に想像がつかず、それなのにぐいぐいと話に引き込まれていきます。もう訳が分かりません。
格別派手な話ではないし、心に沁みるテーマもないのだけど、部署間の確執、チームの連帯感、友情、警察としての仲間意識、相互に交錯する微妙な人間関係が非常にリアル。あっちを立てればこっちが立たず。どうにか両立させようと全員がぎりぎりのところで踏ん張ってる感じ。緊張感で一時も目を離せません。



(c)春光映畫,PRENOM H.CO.,LTD
ブエノスアイレス(春光乍洩/'97/香港)

ジャンル:恋愛ドラマ
監督:王家衛(ウォン・カーウァイ)
主演:梁朝偉(トニー・レオン)、張國榮(レスリー・チャン)

香港からブエノスアイレスへやってきたウィン(張國榮)とファイ(梁朝偉)。愛するが故に衝突を繰り返し、ぼろぼろになって、また惹かれ合う。
「やり直す」ために地球の反対側までやってきたのに、今度も同じことの繰り返し。もう行き場はないのか…。追い詰められたファイの前に一人の青年が現れる。彼は「世界の果て」を目指しているのだという。

ドロドロの愛憎劇(しかもゲイの)ながら、どこか健康的な感じが漂う本作。ファイが見せるウィンへの甘やかしっぷりも、イラつくというよりいっそ微笑ましい。
一応二人の関係にはオチがついた形にはなっているけど、個人的にはこの後も延々と同じことを繰り返すんじゃないかと思っています。ま、それも人生だよファイくん。



(c)2004 JCE MOVIES LTD.
香港国際警察/NEW POLICE STORY(新警察故事/'04/香港)

ジャンル:アクション
監督:陳木勝(ベニー・チャン)
主演:成龍(ジャッキー・チェン)、謝霆鋒(ニコラス・ツェー)、呉彦祖(ダニエル・ウー)

犯罪者を父に持つ二人の青年の物語。

次の世代に対して大人はいかにして「希望」を示してやれるのか。その一つの答えが、この映画そのものであるのだと思う。
カンフーは以前より減ってるけれども、体当たりのアクション・シーンは相変わらず見ごたえあり。中環の空中通路の屋根(!)を成龍と謝霆鋒が駆け抜け、ダブルデッカーバスの屋根は吹っ飛び、最後はコンベンションセンターの屋根に全員集合だ!コンベンションセンター好きだな成龍!
シリアス担当の成龍と、お笑い担当の謝霆鋒のコンビがやたらに面白いです。



(c)MIDAS FILM
流星(流星語/'99/香港)

ジャンル:ドラマ
監督:張之亮(ジェイコブ・チャン)
主演:張國榮(レスリー・チャン)、葉靖嵐(エリクソン・イップ)

チャップリンの無声映画「キッド」のリメイク作。エリート証券マンから転落したその日、ウェイ(張國榮)は捨てられていた赤ん坊のミン(葉靖嵐)に出会う。その日暮らしをしながらミンを育てていたウェイだが、ある日母親が現れて…。

脚本に惚れこんだ張國榮は、なんとノーギャラで出演、製作総指揮も務めたそうです。この話を読んだ時に、何となく張國榮という人が見えたような気がしたんですね。彼の撮った映画が観たかったなあ。



(c)1993 STAR TV FILMED ENTERTAINMENT.
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地大乱(黄飛鴻之二 男兒當自強/'92/香港)

ジャンル:アクション
監督:徐克(ツイ・ハーク)
主演:李連杰(ジェット・リー)

清朝末期。外国からの圧力と、国内の反乱勢力との間で混乱を深めていた時代。学会へ出席するために広州へやってきた黄飛鴻(李連杰)は、若き日の孫文と出会う。
熊欣欣(ホン・ヤンヤン)扮する白蓮教教主VS.黄飛鴻と、甄子丹(ドニー・イェン)扮するラン提督VS.黄飛鴻の2大対決シーンは必見。

とにかくこれでもかと繰り広げられるカンフーアクションが気持いい!シリーズ第1作目の「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地黎明(武状元黄飛鴻)」と、黄飛鴻のお父さんを甄子丹が演じた「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ外伝 アイアンモンキー(少年黄飛鴻之鐵馬[馬留])」もお勧め。

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